朝、通勤途中の話。
家からてくてく住宅街の中を通って地下鉄の駅まで毎朝歩いています。
その日もいつものようにスーツ姿でてくてく住宅街の中を歩いていたら
前方に自転車にまたがった白いワイシャツと黒いスラックス姿の男の人。
道の曲がり角あたりで止まってこっちを見てる。
あんまりじろじろ見られている気がしたので
道に迷ってるのかな?(朝っぱらから?)となんとなく思った。
私、よく人に道を尋ねられるんですよね、だからそのときもなんとなく・・・
でも
その男の人は急に思い立ったように自転車をこぎ出して私の横をぶーんと通り過ぎて行ってしまった。
と思ったら
後ろから自転車が近づいてくる気配。
と思ったらさっきの人が!!!
ゆっくり私の横について自転車でついてきていきなし
「どこ行くの~」
ってへらへらした顔で話しかけてきた。
と思ったら!
ナニ?
ナ・・・・ニ・・・?
ナ・・ナニーーーーッ!!!
ナナナナナナナニを・・・・・っ
ナニしてるの
ナニなんですか
あなたナニしたいんですか
だ、だからナニなんです?
要するにナニなんです。
とふざけてる場合じゃなかったんですよ。そのときは。
ものすごくぞっとしたんです。
朝ですよ?通勤途中。
しかも住宅街ど真ん中。
なのに
誰も歩いてる人がひとっりもいなかった。
その日に限って。
その恐怖って分かってもらえるでしょうか。
周りにいっぱい家があるのに
ものすっごい孤独。
自転車に乗ってナニをナニしてる男と私の二人っきり。
そんなヘンタイ野郎はせいぜいそれっくらいのことしかできないやつに違いないって思うんですけど
でも、そのときの恐怖ったら。
怖くて誰もいなくて声も出なくてすくんでしまって自転車で前をさえぎられたのがまた怖くって
その時間がものすごく長く感じられて
なんとか気を奮い立たせてでも走って逃げるので精一杯。
車や人が見える大きな道路に出たときにやっとほっとして。
だけど、ずっとずっと何度も何度も後ろを振り返っては着いてきていないか気になって
会社に着いてももうずっと身体の震えが止まりませんでした。
あれから私はあの道が通れないし、
後ろから人があるいは自転車に乗ってる人が近づいてくる気配を感じるだけで
ドキドキするようになってしまいました。
ヘンタイは嫌いじゃありませんが
チカンと押し付けの、一方的なヘンタイは大嫌いです!バカヤロ。